自転車 / ブレーキの調整
2024/4
 折りたたみ自転車(ルノー LIGHT10 BK)のブレーキがうまく作動しなくなったので修理・調整しました。

 この折りたたみ自転車のブレーキは、@ブレーキレバー、Aブレーキケーブル、BVブレーキで構成されています。レバーを握るとケーブルが引っ張られブレーキが閉まるという仕組みです。前後輪とも同じ仕組みです。普通のシティサイクルの後輪にはローラーブレーキなどが使われています。
 アマゾンでの価格は、それぞれ次のようになっています。3点セットを中国から取り寄せると、到着まで日数はかかるものの、激安です。ただ、余りに安いと品質は大丈夫か少し心配になります。
@ブレーキレバー 1,135円
Aブレーキケーブルセット 999円
BVブレーキ 1,950円
@+A+B3点セット 1,789円

 ブレーキの効きが悪くなった場合、Vブレーキのブレーキシューの位置を調節すると効きが復活することがあります。ブレーキシューが摩耗している場合は、ブレーキシューだけを交換すれば問題は解決します(なお、2018年12月に買ったパナソニックの電動アシスト自転車VELOSTARは、2022年8月に前輪のブレーキシューを交換し、後輪のローラーブレーキにグリスを注入したら、ブレーキの効きが復活し、2024年4月現在も正常に作動しています。ケーブルはこれまで特に異常はありません)
 しかし、今回のトラブルはインナーブレーキケーブルが伸びてしまったことによるため、ケーブルの交換が必要となりました。この折りたたみ自転車は、2021年11月に買って、沖縄滞在の時しか使っていないので、トータルで3か月程度しか使っていません。
 ではどうして、ケーブルが伸びてしまったかというと、折りたたみ方を間違って、前輪を逆方向に余分に1回転して折りたたんでしまったためです。そのため、特に後輪のインナーブレーキケーブルに過度な圧力がかかり、伸びてしまいました。さらに、ブレーキレバーがうまく戻らないという問題も生じました。

 インナーブレーキケーブルの交換は、Vブレーキのボルトを緩め、ブレーキレバーからタイコを外し引き抜き、新しいケーブルを差し入れるという、割と簡単な作業です。
 インナーブレーキケーブル交換の前に、まずVブレーキを開放しておきます。Vブレーキは、次のように固定されています。タイヤを外す場合など、Vブレーキを開放する必要があります。

 黒いゴムの部品をずらすと、インナーケーブルがむき出しになります。金具が引っ掛けてあるだけなので、簡単に外れ、Vブレーキが開放されます。
 次に、留めてある六角穴付きボルトを緩めて、インナーケーブルを外します。これで、インナーケーブルとVブレーキが外れます。インナーケーブルの先に付いている金属部品はペンチで引き抜きます。この金属部品はケーブルセットに同梱されているので、捨てて構いません。

 インナーケーブルは、アウターケーブルの中を通っています。アウターケーブルは、フレームに固定されています。

 アウターケーブルは、ブレーキレバーに接続されています。

 ブレーキレバーのネジ(ブレーキラインアジャスター)を回すと、溝が1直線となってインナーケーブルが外れるようになります。この作業は省略しても、インナーケーブルを引き抜くことはできます。

 インナーケーブルの先の丸い球(タイコ)がブレーキレバーにはめ込まれています。タイコは上にずらすと簡単に外れます。タイコを引っ張るとインナーケーブルをアウターケーブルから引き抜くことができます。アウターケーブルをそのまま使う場合は、新しいインナーケーブルを差し込んで行き、Vブレーキのボルトで留めれば、交換は完了します。アウターケーブルが折れ曲がっている場合は、インナーケーブルを差し込めないので、アウターケーブルも交換する必要があります。

 ブレーキレバーは、本体とネジ(ブレーキラインアジャスター)で構成されています。ブレーキラインアジャスターでブレーキの効き具合を調節することができます。しかし、Vブレーキのボルトを緩めインナーケーブルの長さを変えて、ブレーキの効き具合を調節すれば良いので、まず使うことはないと思います(ブレーキラインアジャスターの使い方 参照)。

 後輪のインナーブレーキケーブルを交換すると、ブレーキは効くようになりましたが、ブレーキレバーがうまく戻らないという問題はなお解決されません。そこで、ブレーキレバーを交換することにしました。ブレーキレバーを外すためには、グリップを外さなければなりません。マイナスドライバーをグリップとハンドルの間に差し込んで、グリップを広げ、消毒用アルコールを流し込んだら、割と簡単に外れました(自転車のグリップ交換とグリップの着脱方法参照)。 はめる場合も、アルコールを流し込むと簡単にはまりました。
 ブレーキラインアジャスターが引っかかってばねがうまく働かなかったようで、ブレーキレバーを交換すると、前輪の方はレバー戻るようになりましたが、後輪の方は戻らないままです。
 そこで、後輪のVブレーキを調べてみると、片方の部品の金属の棒が取れているのが分かりました。この棒がばねの働きをしているようです。  

 そこで、後輪のVブレーキを交換することにしました。Vブレーキの取り付け部分は次のようになっています。左の大きな穴にVブレーキの根元の丸い金属部分を差し込んでボルトで留めますが、これでVブレーキの根元の部分が固定されるのではありません。丸い金属部分の外側に突き出ている小さなぽっちりを、Vブレーキの取り付け部分の右の小さな穴に差し込んで固定します。Vブレーキは、銀色の部品と黒色の部品で構成されていて、銀色の部品が取り付け部分に固定され、黒色の部品は根元の部分を軸に回転するようになっていますが、ばねで常に外側に押し出されるようになっています。ブレーキレバーを握ると、ブレーキシューが内側に引っ張られタイヤに押し付けられブレーキがかかり、ブレーキレバーを緩めると、ばねでブレーキシューが外側に押し戻されます。小さな穴が3つありますが、上の穴に差し込むとばねが強く働き、下の穴に差し込むとばねが弱く働くようになります。今回は、真ん中の穴に差し込んでおきました。