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図書館
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県立と市立
那覇市に一定期間滞在する場合は、県立図書館と市立図書館の利用者カードが作れて、本の予約貸し出しができます。また、宮古島市立図書館と恩納村文化情報センターでは、滞在期間の長短にかかわらず、本を借りることができます。
それぞれの図書館を比較すると次のようになります。人口、蔵書数、個人貸出数、来館者数は、令和4年度沖縄県立図書館要覧を参照しました。
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沖縄県 |
那覇市 |
宮古島市 |
恩納村 |
滞在期間 |
1か月以上 |
2週間以上 |
制限なし |
制限なし |
貸出冊数 |
10 |
5 |
5 |
5 |
貸出日数 |
15日 |
2週間 |
1週間 |
2週間 |
人口 |
1,462,940 |
314,159 |
52,142 |
11,079 |
蔵書数 |
927,856 |
654,443 |
188,558 |
91,668 |
個人貸出数 |
297,468 |
699,993 |
188,446 |
90,391 |
来館者数 |
233,539 |
213,536 |
77,244 |
36,059 |
自治体の規模が小さくなるほど、単位人口あたりの蔵書数、個人貸出数、来館者数は、多くなる傾向があります。琉球王国や地域ガイドについて、4つの図書館の貸し出し可能な蔵書がどれくらいあるのか、4つの政令指定都市と比較してみると、次のようになりました(カーリル>カーリルローカル)。
琉球・沖縄関係の蔵書については、沖縄の図書館の方が格段に充実しています。特に、那覇市立図書館は、貸し出しできる冊数が多いのが目立っています。政令指定都市では、人口270万人の大阪市立図書館が、人口1万人余りの恩納村文化情報センター(恩納村図書館)に匹敵できる程度です。
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沖
縄
県 |
那
覇
市 |
宮
古
島
市 |
恩
納
村 |
福
岡
市 |
神
戸
市 |
大
阪
市 |
名
古
屋
市 |
琉日戦争一六〇九 |
1 |
6 |
1 |
2 |
1 |
1 |
2 |
|
琉球王国と戦国大名 |
1 |
6 |
1 |
2 |
1 |
1 |
2 |
1 |
島津氏の琉球侵略 |
1 |
5 |
1 |
1 |
|
1 |
1 |
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琉球王国は誰がつくったのか |
1 |
3 |
1 |
1 |
1 |
2 |
1 |
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琉球建国史の謎を追って |
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1 |
1 |
1 |
1 |
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1 |
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人頭税はなかった |
1 |
3 |
2 |
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琉球・沖縄寄留民の歴史人類学 |
1 |
1 |
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1 |
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1 |
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孤島苦の琉球史(2022) |
1 |
2 |
1 |
1 |
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1 |
琉球戦国列伝(2012) |
1 |
7 |
1 |
3 |
1 |
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1 |
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琉球戦国列伝(2022) |
1 |
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2 |
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OKINAWA 365 |
1 |
2 |
1 |
1 |
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1 |
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琉球弧の祭祀と行事 |
1 |
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おもしろ沖縄の伝説 |
1 |
4 |
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1 |
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沖縄名所・史跡めぐり |
1 |
6 |
1 |
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那覇の史跡・旧跡ガイドブック |
1 |
5 |
2 |
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「琉日戦争一六〇九」「琉球王国と戦国大名」「島津氏の琉球侵略」「琉球王国は誰がつくったのか」などの基本書といえる本は、政令指定都市の図書館でも借りることができますが、より地域色の濃い本は、沖縄の図書館でしか借りることはできません。
一方、上里隆史、上原兼善、黒嶋敏らの研究者には、琉球・沖縄関係の専門書以外の著編書も数多くあるので、それら全部を対象に含めると、次のように、沖縄県立図書館の蔵書が群を抜いています。また、政令指定都市の図書館にも多くの蔵書があります。
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沖
縄
県 |
那
覇
市 |
宮
古
島
市 |
恩
納
村 |
福
岡
市 |
神
戸
市 |
大
阪
市 |
名
古
屋
市 |
上里隆史 |
71 |
23 |
22 |
17 |
11 |
14 |
28 |
13 |
上原兼善 |
60 |
8 |
8 |
4 |
13 |
5 |
13 |
6 |
黒嶋敏 |
21 |
5 |
2 |
2 |
7 |
10 |
16 |
13 |
那覇市立図書館にサイバー攻撃
那覇市立図書館は、2022年10月13日、ランサムウェアによるサイバー攻撃を受け、サーバーに保存されたデータがすべて暗号化されたため、管理システムが使用不可となり、蔵書データの検索やネット貸し出しなど、すべて使えなくなりました。その後、65万冊余の蔵書と19万人余の登録者のデータを入力し直し、2023年2月16日に、ようやくシステムが再稼働しました。
那覇市立図書館では、2019年のシステム運用開始以来、ファイヤーウオールとVPN(仮想専用線)を更新していなかったということです。島袋元治館長は、更新しなかった理由は「セキュリティー機器などの契約に、更新に関する取り決めがなく、リース会社と運用会社、図書館の間で責任が曖昧になっていた」と説明しています(図書館サイバー攻撃、保護装置の未更新が一因か 那覇 関係者間での責任も曖昧 個人情報の流出「確認できない」)。
那覇市立図書館の蔵書検索は富士通のシステムを採用しているそうですが(Web
OPACs by Vendors 富士通編)、検索システムの安全面には問題はなかったようです。
日野市立図書館も、2022年12月17日に、ランサムウェアの被害が発生しましたが(市立図書館におけるコンピュータウィルス感染について(第一報)(令和4年12月19日プレスリリース))、こちらも、ネットワーク機器を介して業務用サーバへ感染したということです(市立図書館におけるコンピュータウィルス感染について(最終報))。
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