図書館 / ネット予約で借りる
2023/1
 全国の多くの公立図書館では、ネットショッピングのシステムを参考にして、図書の貸し出しサービスを行っています。ネットショッピングでは、アマゾンや楽天のサイトで商品を検索して、ウェブ上で購入手続きを完了すれば、商品を自宅まで届けてくれます。図書館の予約貸し出しサービスでも、蔵書検索で借りたい本を捜し、ウェブ上で貸し出し手続きを完了すれば、最寄りの図書館まで届けてくれます。
 ネットショッピングでは、注文した商品を実店舗で受け取ることもできます。図書館の予約貸し出しサービスは、それと同じように、「予約した本=注文した商品」を「最寄りの図書館分館=最寄りの実店舗」で受け取る形となります。
 沖縄県立図書館と那覇市立図書館でも、この予約貸し出しサービスを提供しています。予約貸し出しサービスには、本の貸し出し確保と配送という2つの機能があります。予約が完了した本は貸し出しが確保され、指定した受け取り場所に配送されます。県立図書館では、本は直接受け取るため、配送サービスはありません。
 那覇市立図書館には、7つの図書館と1つの連携図書館があり、那覇市立図書館の利用者カードで、8つの図書館すべての蔵書を予約貸し出しできます。予約した本の受け取り場所が8か所あるのは便利です。

 人口230万人の名古屋市の市立図書館は21館ですから、人口32万人の那覇市の8館というのは、十分多いといえます。ただし、名古屋市立図書館には、自動車図書館というものがあって、書架を積載した小型バスが、次のように市内100か所以上を巡回しています(自動車図書館ガイドマップ)。巡回は1か月半に1回程度ですが、予約した本の受け取りもできます。また、人口50万人の松山市の市立図書館は4館しかありませんが、移動図書館が165ヵ所のステーションポイントを2週間に一回、巡回していて、予約した本の受け取りもできます。那覇市立図書館でも、1976年から移動図書館を運営していましたが、2008年に終了しています(那覇市立図書館/館報2022)。

 沖縄県立図書館で予約した本を受け取るのは、完全セルフサービスとなっています。受け取り方法は次のようになっています(立川市立図書館/中央図書館利用の手引き)。沖縄県立図書館には、今のところ、受け取り方法の説明は掲示されていないし、ホームページにも掲載されていません。

 貸し出し手続きの詳細は次のようになっています。

 沖縄県立図書館では、まず、受け取りコーナー入口横の予約紹介機のバーコードリーダーに利用カードのバーコードをかざします。すると次のような内容が画面に表示されるので、画面の「印刷」アイコンをタップして、予約案内票を印字します。この機器は、本が取り置かれてある棚の番号を示すためだけのものです。

 しかし、利用者は、図書館サイトの「Myライブラリー」で、次のように貸出可能となったことを、あらかじめ確認してから来館します。「Myライブラリー」に棚番号を表示しておけば、そもそも予約紹介機そのものが要らないのではないかという気もします。

 貸し出し手続きでは、複数の本を同時に処理できますが、それは次のような仕組みになっているからです。
 貸し出しカウンターの四角の枠の下にはRFIDリーダライタが設置されていて、本に貼付されているICタグと無線で交信し、タグの情報を持出可に書き換えます。RFIDリーダライタは同時に複数のICタグと交信し、情報を書き換えることができるので、複数の本を同時に処理できます。入口のゲートにもRFIDリーダライタが設置されていて、ICタグの情報が持出不可となっていると警報が鳴るようになっています。