図書館
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県立図書館で怒られた
このビルと、ゆいレールの旭橋駅は2階デッキでつながっています。 カフーナ旭橋は再開発によって誕生した都心エリアで、A街区からE街区まで5つの地区があります(施設情報|カフーナ旭橋)。A街区のビルは、1階が那覇バスターミナル、2階が那覇OPAのショッピングフロア、3階から11階までがオフィスフロアとなっています。B街区には、リーガロイヤルグラン沖縄とオフィスビル、C街区には、東急Reiホテルとオフィスビルがあります。D街区は分譲マンション、E街区は駐車場となっています。 各施設の開業日は次のようになっています。A街区には戦前、軽便(けいべん)鉄道の那覇駅がありましたが、戦後、バスターミナルが建設されました(那覇駅跡: 那覇市歴史博物館)。A街区のビルは、そのバスターミナルの上に建てられました。那覇OPAは、1996年から2013年まで国際通りで営業していました。場所を変えて、久しぶりに復活したもののテナントの撤退が相次ぎ、コロナ禍の直撃もあって経営が振るわず、2021年からイオンモールが運営しています。沖縄滞在中は、那覇OPAのダイソーをよく利用させてもらいました。
外にあるエスカレーターに乗ると、2階で建物に入って、ぐるっと迂回して、別のエスカレーターに乗って3階に上ることになります。ゆいレール旭橋駅からは2階デッキを通って建物に入り、このエスカレーターに乗って3階に上ります。 エスカレーターで3階に上り、少し歩くと図書館入り口に着きます。図書館に行くのには階段がないので、エスカレーターやエレベーターを使わざるをえません。いずれにしても、図書館への動線が少し分かりにくいです。 A街区のビルの断面図は次のとおりです。 沖縄県立図書館の3階は、エントランスと子供向け書籍の閲覧スペースになっています(館内案内図 - 沖縄県立図書館)。 4階は、一般向け書籍の閲覧スペースになっています。 5階は、郷土資料の閲覧スペースになっています。事件はこのフロアで起きました。 本の探し方を尋ねようと、5階の郷土資料室のサービスカウンターの職員に声をかけようとしていたら、近くにいた高齢の女性から、ものすごい勢いで怒鳴りつけられました。職員が数人すっ飛んできて、2、3人がかりで、その女性を、なだめようとしましたが、今度は職員に食ってかかって騒ぎは続きました。 職員の説明では、私がコインロッカーに手荷物を預けなかったことを非難しているそうです。郷土資料室を利用するときはコインロッカーに手荷物を預けることになっているということです。しかし、私はオンライン検索で借りたい本を見つけたので、その本がどこにあるか確認したかっただけで、郷土資料室を利用するつもりはありませんでした。そのことを伝えると、職員がその本を見つけ手渡してくれました。 郷土資料室の平面図で位置関係を示すと、次のようになります。私は青線で囲んだあたりにいてサービスカウンターの職員に声をかけようとしていました。女性は赤線で囲んだあたりにいました。捜していた本は、紫線で囲んだあたりにありました。 入口のBDSというのは、ブックディテクションシステムのことで、「図書館資料に磁気テープやICタグを貼り付けておき,利用者が貸出手続をしないで資料を図書館外に持ち出そうとすると,出入り口などに設置された磁気探知装置が作動し,ブザーがなったり,出口のゲートがロックされ退館できなくなる仕組み」となっていて、「利用者にとっては,図書館内にカバンや自分の本などの荷物を持ち込むことができ,退館時にチェックを受けずにすむなどの利点」があるということです(コトバンク)。なお、磁気探知装置は、3階の図書館入り口にも設置されています。 3階のカウンターで、書架の配置がどうなっているのかあらためて確認すると、目的の本の所在場所に赤い印を付けて、次のようなコピーを手渡してくれました。コピーは、平面図を右に90度回転した形になっています。 県立図書館のサイトの資料検索から、たとえば「沖縄・南西諸島 歩く地図Nippon 18」という本を検索すると、資料詳細が次のように表示されます。 この情報からは、同じ本が3冊あり、1冊は貸し出しでき、2冊は館内閲覧のみになっていると推測できます。沖縄関係の本は、だいたい3冊以上所蔵していて、貸し出しできるのは1冊だけとなっているようです。 3冊の請求番号は同じで、それぞれ所蔵場所が異なるようです。しかし、ホームページ上に掲載されている郷土資料室の平面図からは、所蔵場所の位置関係はよく分かりません。上記のコピーを見ると、「K289〜」の書架が2か所にあるので、「5F郷土貸出=郷土資料貸出エリア」、「5F郷土閲覧@=郷土資料室」の関係にあることが想像できます。「★5F書庫1」は、職員を通じて閲覧手続きをするようです。 いずれにしても、資料詳細に記載されてある請求番号を手掛かりに目的の本を捜すことになりますが、書架の配置が分からなければ捜し様がありません。そこで、5階フロアのどこかに配置図が掲示してあるものと思い、探してみましたが見つかりませんでした。その間、あたりを見回していたので不審者と思われたのかもしれません。件(くだん)の女性は、ボランティアの万引きGメンだったのでしょうか。本の所在場所を職員に尋ねる場合でも、その都度、手荷物を預けなければいけないのでしょうか。 そもそも、出入り口には磁気探知装置が設置されていますから、本を持ち出そうとすると、アラームがなります。 また、だいたいの本は3冊以上所蔵して、1冊は貸し出しできるのですから希少本というわけでもなさそうです。本当に重要な希少本であれば、書庫に保管し閲覧は特別の手続きを経て、限定した場所でのみ認めることにすれば良いわけで、資料室を全面的な手荷物持ち込み禁止とするのは過剰な規制といえるのではないでしょうか。 今回の沖縄滞在では、いきなりこのような衝撃的な事件が置きましたが、その後は平穏な日々でした。滞在したマンスリーマンションは、普通の賃貸マンションを短期賃貸したものなので、ほとんどの住人は「うちなーんちゅ」だったと思われます。顔を合したときに挨拶するくらいで、互いの生活に干渉することはありませんから、本土の都市生活とは違いはありません。普段あまり人付き合いがないのであれば、那覇の賃貸マンションに引っ越しても、違和感なく同じような生活が続けられると思います。 また、沖縄は運転が荒いという意見もありますが(車の運転/沖縄移住生活始めました、沖縄に4年住んでみて思ったこと。悪かったと思うところ編。)、車には乗らない私のように、もっぱら歩いて移動する者の立場からは、少し異なる印象を持ちました。旧那覇地区の、久米、辻、西は、車の通行量が少なく、信号のない横断歩道も数多くあります。車をやり過ごして横断歩道を渡ろうとしていると、だいたい半分くらいの車は止まって、歩行者を優先してくれました。運転マナーが悪いといわれている名古屋に住んでいたことがありますが、横断歩道で止まって歩行者を優先する車はほとんどなく、威嚇するように速度を上げる車さえありました。 立場が変わると、物事も違って見えることがあるのかもしれません。 |