スーパー / ランキングあれこれ

那覇の食品スーパー、ほとんどが地元企業
 那覇市の食品スーパーは、サンエー、タウンプラザかねひで、リウボウホールディングスなど、地元資本がほとんどを占めていて、県外資本では、イオングループが7店舗出店しているぐらいです。
サンエー 11店舗 沖縄県下で、スーパーとレストランを展開している地元企業。那覇に食品スーパー「サンエーV21」11店舗
イオングループ 7店舗 那覇に食品スーパー「マックスバリュ」6店舗、ザ・ビッグエクスプレス小禄店ディスカウントストア
タウンプラザかねひで
11店舗
沖縄県下で、スーパーを展開している地元企業。那覇に食品スーパー「タウンプラザかねひで」11店舗
リウボウストア 8店舗 那覇・浦添を中心に、百貨店、スーパーマーケット、不動産賃貸、沖縄ファミリーマートを運営しているリウボウホールディングスのグループ企業。那覇に食品スーパー8店舗。天久りうぼう(おもろまち駅から徒歩15分)は大型店 
フレッシュプラザユニオン(野嵩商会) 4店舗 宜野湾市に本社を置く24時間スーパー、那覇には4店舗、いずれも、ゆいレール駅近くに立地 
コープおきなわ  5店舗  コープあっぷるタウン店(おもろまち)は大型店
JAおきなわAコープ 首里に2店舗
沖縄丸大 南風原町を拠点とする食品スーパー、那覇には2店舗

大型複合商業施設は、3店舗が競う
 那覇の大型複合商業施設は、久茂地のパレットくもじ、小禄のイオン那覇ショッピングセンター、新都心のサンエー那覇メインプレイスの3店舗が競っています。
 ダイエーが1975年に牧志にダイナハ(現ジュンク堂書店)を出店しましたが、2005年に閉店しています。
 都心の再開発で、1991年に久茂地にパレットくもじが開業しています。
 1993年には、イオンが小禄の駐留軍用地跡地にイオン那覇ショッピングセンターを開業しています。さらに、天久の米軍跡地の再開発で、おもろまち新都心ができたのに伴い、2002年、「サンエー那覇メインプレイス」が開店しています。
 次の表の店舗面積は日本ショッピングセンター協会のデータです。
パレットくもじ パレットくもじは、久茂地1丁目1番1号にある地下2階地上9階建ての商業ビル。1991年開業で、久茂地都市開発株式会社が所有。核店舗としてデパートリウボウが移転。久茂地都市開発は第三セクターでしたが、那覇市と沖縄県所有の株式をリウボウグループが取得し、民間会社となっています。店舗面積は20,208平方メートル。ゆいレールの県庁前駅と接続
イオン那覇ショッピングセンター 1993年、駐留軍用地跡地の小禄金城地区に開業。イオンを核テナントとした7階建の商業施設で、3階までは店舗、4階以上は駐車場。施設全体で約1,800台駐車可。店舗面積は25,000平方メートル。ゆいレールの小禄駅と接続
サンエー那覇メインプレイス サンエーが2002年、駐留軍用地跡地のおもろまち新都心に開業した大型ショッピングモール。5階建て、1、2階が店舗、3、4、5階と屋上が駐車場。店舗面積は32,312平方メートル。屋内に2,500台の無料駐車場。ゆいレールのおもろまち駅から徒歩5分 

業務用スーパーは、県外資本
 業務用スーパーは、県外の資本ばかりです。業務スーパーは、一般客向けのディスカウントスーパーです。乾麺、調味料、缶ジュース、菓子類など、かなり安いです。店によっては生鮮食料を扱っていますが、那覇の店には行っていないので分かりません。A-プライスは、プロ用食材の店です。
業務スーパー 兵庫県加古川市に本社を置くディスカウントスーパー、那覇に業務スーパー 小禄店、浦添に業務スーパー 浦添店
トーホーグループ 神戸市東灘区に本社を置く業務用食品卸事業グループ、兵庫県内では食品ストア「トーホーストア」を展開、那覇には、プロ用食材のA-プライス那覇店 
プロマート 広島を拠点とする業務用食品スーパーグループ、那覇には安謝店(FC店) 
 ディスカウントストアは、県外からドン・キホーテとダイレックスが出店しています。ダイレックスは、もともとはドラッグストアですが、日用雑貨、化粧雑貨、衣料品、園芸用品、家電製品、薬品、酒類など幅広く取り扱っています。地域によっては、野菜や魚介を扱っている店もあります。ドン・キホーテの国際通り店はアジアからの観光客向けの店です。那覇壺川店は、乳製品、肉、弁当なども扱っています。ビッグワンは地元企業です。
ダイレックス 佐賀を拠点とするディスカウントストア、2009年にサンドラッグの完全子会社となる。那覇には小禄店と津嘉山店 
ドン・キホーテ 東京・杉並区発祥のディスカウントストア、那覇には国際通り店と那覇壺川店 
ビッグワン 沖縄市に本社を置くディスカウントストア、那覇には小禄店と那覇店 

トップ10に小売業がずらり
 沖縄県の企業の売上高ランキングは次のようになっています(サンエー4年ぶり首位  沖縄県の企業売上高ランキング | HUB沖縄(つながる沖縄ニュースネット))。グリーンで囲んだのが小売業です。10位以内に5社が並んでいます。



リウボウは、3つの事業が柱
 リウボウグループは、コンビニ、スーパー、百貨店の3つの事業が柱になっています。コロナ前、百貨店は200億円に迫る売り上げがありました( リウボウグループ、増収減益 外国客売り上げ好調 決算)。

 しかし、。コロナ禍の影響もあって、2022年2月期の売り上げは、101億円に落ち込んでいます(デパートリウボウ)。

沖縄にもコンビニのビッグ3が進出
 コンビニは、沖縄にもビッグ3が進出しています(コンビニエンスストア(都道府県データランキング))。ファミリーマートが先行し、後発のセブンイレブンは最近急速に店舗を増やしています。
ファミリーマート 328 沖縄ファミリーマート(リウボウ51%・ファミリーマート49%)
ローソン 260 ローソン沖縄(サンエー51%・ローソン49%)
セブンイレブン 122 セブンイレブン・沖縄100% 子会社)
 沖縄ファミリーマートの最近の決算内容は次のとおりです(官報決算データベース)。

 ローソン沖縄の最近の決算内容は次のとおりです(官報決算データベース)。

 セブン−イレブン・沖縄の最近の決算内容は次のとおりです(官報決算データベース)。


総合スーパーの時代は終わった?
 2022年3月末時点でのビッグ3の全国店舗数は次のとおりです(コンビニエンスストア(都道府県データランキング))。いずれも設立時には、総合スーパーが親会社でした(【ファミリーマート】今は伊藤忠傘下だが、かつての親会社ってどこ?)。しかし、バブル期の拡大路線が裏目に出て、セゾングループが解体し、
西友ストアーはファミリーマートを手放します。ファミリーマートは、現在では伊藤忠商事の子会社となっています。ダイエーも経営不振となり、ローソンを手放しています。ローソンは、現在では三菱商事の子会社となっています。
  店舗数 設立  設立時の親会社 現在の親会社 
セブンイレブン 21,301 1973 イトーヨーカ堂 セブン&アイ・ホールディングス100% 
ファミリーマート 16,571 1978 西友ストアー 伊藤忠商事100% 
ローソン  14,664 1975 ダイエー 三菱商事50.1% 
 一方、セブンイレブン(セブン-イレブン・ジャパンとセブン‐イレブン・沖縄)は、セブン&アイ・ホールディングスの100%子会社となっています。セブン&アイ・ホールディングスは、持株会社で、イトーヨーカドーや、そごう・西武も100%子会社として傘下に収めています。セブンイレブンは、アメリカと中国にも店舗を展開していますが、それぞれ別の子会社が運営しています。
 セブン&アイ・ホールディングスの事業別営業収益は次のようになっています(セグメント情報|株主・投資家(IR)|セブン&アイ・ホールディングス)。

 一方、事業別営業利益は次のようになっています。スーパーと百貨店は、そこそこの売り上げはあるものの、ほとんど儲かっていません。百貨店は赤字です。一方、国内コンビニは売り上げは多くないものの、全体の利益の半分を叩き出しています。

 そごう・西武は、経営不振の百貨店同士が統合した会社です。セブン&アイ・ホールディングスが買収しましたが、再建の目途が立たないので、売却を予定しています(そごう・西武の売却を無期限で再延期 セブン&アイが正式発表)。スーパー部門では、総合スーパーのイトーヨーカドーの業績が芳しくありません。そこで、店舗を大量に閉鎖する予定です(イトーヨーカドーが「32店舗の大量閉鎖」へ…そのウラで始まる「小売業界最終戦争」の“過酷な実態”)。

 ファミリーマートをめぐる資本関係も、次のように大きく変化しています(ドンキがファミマの2割出資を受けてまでユニーを買収したかった理由 )。

 ユニーは中部を地盤とする総合スーパーで傘下にコンビニエンスストア、サークルKサンクスがありました。
 まず、ファミリーマートとユニーが経営統合し、持株会社ユニー・ ファミリーマートHDを新設し、それぞれがその子会社となりました。その一方で、ユニーはドンキホーテHD(現PPHI)からも40%の出資を受けるという変則的な資本形態となりました。
 次いで、ドンキホーテHDがユニー・ ファミリーマートHDからユニーの株式60%を譲り受け、ユニーを100%子会社とします。このような過程を経て、ユニーを解体し、コンビニ部門をファミリーマートが吸収し、総合スーパー部門をドンキホーテが吸収した形となりました。
 ユニー・ファミリーマートHDは、ユニー株式の譲渡に伴い、公開買付けにより、ドンキホーテHDの株式20.17%の取得を試みましたが失敗し(ユニー・ファミマHD/ファミマを吸収合併「ファミリーマート」に社名変更)、出資比率は5.54%に留まっています(株式状況|PPIH(旧ドンキホーテHD))。なお、ユニー・ ファミリーマートHDは、持株会社体制から単独事業会社へ経営体制の変更し、現在の社名はファミリーマートになっています。
 ドンキホーテは、ユニーの総合スーパー店舗をそのまま残し、ドンキホーテとコラボさせています。たとえば、名古屋市のアピタ東海通店の場合は、次のように、UNYとMEGAドンキの看板2枚を掲げています(ユニー、ドンキ/名古屋市「アピタ東海通店」をフルサイズのダブルネーム業態に)。ロゴはいずれも、ドンキホーテの黄色と黒が基調となっています。 

 1階は専門店と食品コーナーとなっていて、ドン・キホーテらしい新メニューも導入しています。

 2階は住居関連品や衣料品コーナーとなっていて、ドン・キホーテらしい展示、品ぞろえとなっています。

 総合スーパーは、食品以外の衣料品や生活雑貨の不振が業績悪化の原因となっています。しかし、食品に集中するためには、全体の売り場が広すぎるという問題があります。一方、ドン・キホーテは、MEGAドン・キホーテ(MEGAドン・キホーテ|驚安の殿堂 ドン・キホーテ)の出店を積極的に進めています。広すぎる売り場を持て余していたユニーと、大型出店先を探していたドン・キホーテの利害が一致したといえそうです。

パンは地元企業がほぼ独占
 2021-2022年の全国のパン業界の売上高ランキングは次のようになっています( パン業界のランキングや動向、現状などを研究)。
山崎製パン 9805億円
フジパングループ本社  2689億円
敷島製パン 1543億円
第一屋製パン 238億円
日糧製パン 171億円
 山崎製パンは、圧倒的シェアを誇っていますが、売上高10億円以上の会社は全国に136社あります(Baseconnect企業検索)。
 食品表示法では、パンは加工食品に分類されていますが、一般的にはせいぜい4日ほどしか日持ちしないし、調理パンは翌日中には食べきる必要があります。その意味では、生鮮食品といえるかもしれません。
 パン製造には、ホール・セールとリテールという形態があります。ホール・セールは、工場で大量に機械生産し各店舗に配送します。リテールは各店舗でパンを焼き販売します。ホール・セールは、製造経費を安く抑えることができますが、迅速な配送ルートの確保が必要となります。
 大手メーカーは、ホールセールによって食パンを安く提供していますが、沖縄には工場がないので本土から空輸すると、コストがかかりすぎてしまいます。そのため、本格的進出は難しいようです。

 那覇のスーパーのパンコーナーには、オキコパン、ぐしけんパン、第一パンが並んでいます。それぞれの、売上高は次のとおりです。このほか、オリオンベーカリーという会社もありましたが、破産しています( 破産手続きの開始決定発表 オリオンベーカリー )。沖縄のパンは、ボリュームのある菓子パンが目立っています。
オキコ  142億円 中頭郡西原町
ぐしけん 56億円 うるま市
第一パン 13億円 那覇市
 スーパーでは、敷島製パンの「超熟」シリーズも見かけますが、オキコがライセンス生産しているそうです(超熟ブランド商品の取り扱いについて/オキコ株式会社)。
 北谷や読谷のイオンには、フジパンのエピシェールが出店しています(フジパンストアー株式会社)。これらは、フジパングループのリテール部門の店舗です(フジパングループ本社株式会社 事業内容)。
 イオングループのザ・ビッグやマックスバリュのパンコーナーには、トップバリューではなく、地元メーカーの商品が並んでいます。
 沖縄のパン製造販売は、地元企業がほぼ独占しているといえそうです。

国際通り周辺の商店街は健闘している
  なはまち振興課資料編のデータによると、2014年の那覇市内の商店街の売場面積と年間商品販売額は次のようになっています。このデータには単位は示されていませんが、デパートリウボウは、売上高101億円(2022年2月期)売場面積18,837平米となっているので、販売額は100万円単位、売場面積は平方m単位と思われます。 
 中心商店街では、パレットくもじが地域全体の販売額の3分の1近くを占めています。しかし、国際通り周辺の商店街を合わせれば、地域全体の販売額の半分以上を占めていますから、健闘しているといえます。
中心商店街 年間商品販売額 売場面積
パレットくもじ  15,394 20,745
国際大通り商店街 9,957 4,636
国際通り県庁駅前商店街 4,785 4,879
国際中央通り商店街 4,534 4,192
沖映通り商店街 3,517 9,769
その他    
合計 42,732 56,110
 一方、中心部以外の商店街では、大型店付近の販売額を合わせれば、地域全体の8割近くを占めています。
中心部以外の商店街 年間商品販売額 売場面積
サンエー那覇メインプレイス付近  27,509 37,250
天久りうぼう楽市付近 11,162 13,492
イオン那覇ショッピングセンター 10,611 8,831
イオン那覇ショッピングセンター付近 9,519 9,925
りゅうせき宇栄原店付近 4,460 2,648
その他    
合計 74,766 83,276