宮古島
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サトウキビ
2020年の鹿児島県のサトウキビの生産状況は次のとおりです(鹿児島県における令和2年産さとうきびの生産状況および実績について|農畜産業振興機構)。 国内でサトウキビを生産しているのは、沖縄と鹿児島だけです。沖縄が6割を占め、そのうち宮古島地区が45%ですから、日本最大の生産地域ということになります。次のグラフ(沖縄サトウキビ作の長期動態|農畜産業振興機構)が示すように、沖縄のサトウキビの生産は減少傾向にありますが、離島部での生産の落ち込みが緩やかなため、結果として、宮古島地区のシェアが拡大したといえそうです。逆から見れば、沖縄本島の方が農業経営の多角化が進んでいるとも言えます。 鹿児島でサトウキビを生産しているのは、島嶼部の種子島と奄美諸島だけですから、現在日本のサトウキビの生産地域は、古琉球時代の琉球王国の支配地域とほぼ重なります。 日本にサトウキビ栽培がもたらされた時期と場所(沖縄か奄美か)については諸説ありますが、1609年の薩摩の琉球侵攻以降であることではおおむね一致しています。この侵攻で奄美地区は薩摩により直接統治されることになり、黒糖の専売が薩摩藩に大きな利益をもたらした一方で、奄美地区の農民は黒糖地獄という厳しい生活を強いられることになります。なお、「薩英戦争に薩摩藩は勝利し、植民地化を免れ、明治維新をもたらすことができた。これを可能にしたのが、黒糖による莫大な利益による武力であった」という説もあります(黒糖の「6 次産業化」で豊かに─海外からの侵略を防衛した薩摩藩─)。 琉球では、「首里王府の頃は、 自給食料生産への影響を避け、糖価の安定を図るために、さとうきびの生産は沖縄本島と伊江島の一部地域1,500haに限定され、 久米島・宮古・八重山地域での栽培は禁止されていた」(「宮古の自然と文化 」69ページ)ということです。 「糖価の安定を図るため」とありますが、江戸時代は砂糖は高価な贅沢品だったはずで、作りすぎて値崩れするということは、有り得たのでしょうか。 江戸時代の砂糖食文化|農畜産業振興機構によると、江戸時代の砂糖の値段は次のとおりだそうです。この程度の値段なら、庶民でも甘い和菓子を口にできたのではないかと思われます。
白砂糖と違って、黒砂糖にはカビが発生することがあります(奄美や沖縄では当たり前だけど、本土の人はきっと知らない黒糖(黒砂糖)の豆知識。 | お知らせ - たべるとくらすと)。江戸時代は、現代と違って輸送に時間がかかり、冷蔵保存もできなかったので、黒砂糖の収穫期に出荷が集中すると、値崩れを起こす可能性があったのかもしれません。 砂糖の歴史シリーズ「江戸時代」の砂糖事情A | 駒屋の平兵衞さんが紡ぐ砂糖物語によると、白砂糖と黒砂糖の比率は次のとおりだそうです。
まず、糖蜜を発酵させアルコール(植物由来のバイオエタノール)を抽出します。次に、そのエタノールを3%の割合でガソリンに混合します。そのガソリン(E3と呼ばれます)をガソリンスタンドで販売します。このエタノールは空気中の二酸化炭素を光合成して作られているので、燃やしても地球温暖化には影響を与えないという発想です。なぜ3%かというと、あまり比率を高めるとエンジンが故障する可能性があるからです(【エンジンが壊れる?】環境に優しいエタノール混合ガソリン )。 この事業については、残渣液(発酵廃液)の処理の問題が指摘されていました(「エコアイランド」宮古島のジレンマ )。この問題が解決されたかどうかは不明ですが、いずれにしても事業そのものが2018年度で終了しています(バイオエタ事業化 今年度で実証事業終了)。 環境省の委託を受けた実証事業は、2011年度で終了しましたが、市が製造施設の無償譲渡を受け、一括交付金を活用し、エタノール製造と残渣液を使った農業用液肥の製造、販売に取り組み、2014年度からE3の一般販売も行われるようになっていました。しかし、環境省が2016年度にE3事業の廃止を決定したため、宮古島市はバイオエタノールを学校給食調理場のボイラー燃料として活用する実証事業に着手していました。 宮古島市の2017年度一般会計予算案審議では、「2012年度から2015年度までの事業費は約2億1600万円だが、売上(E3燃料や液肥)は約172万円で、今後も大幅な赤字は避けられない」との指摘もありました。(「大幅赤字避けられない」/バイオエタ実証事業)。 環境省の沖縄バイオ燃料事業成果・課題等報告書は、E3事業廃止の経緯を次のように説明しています。要するに、採算性が取れないというのが、廃止の理由のようです。
しかし、発酵工業は発酵廃液の処理に苦慮し、糖蜜からのアルコール発酵を中止したということですから、E3事業には、発酵廃液の処理という課題が残されていました。 また、アルコールがガソリンより高いという問題もあります。アマゾン では、次のように業務用アルコール除菌剤を20L6,150円で販売しています。エタノール53.4%ですから、100%で換算すると、1Lあたり600円程度の計算となります。 一方、ガソリン1Lはこの40年間、100円〜180円で推移しています(ガソリン価格推移(1966年〜2023年)と世界情勢の動向 | 車査定攻略ネット)。 そもそも、ガソリン自動車消滅は時代の流れですから、バイオエタノールやE3がどうのと言ってみたところで、意味がなかった気がします。 |