交通・宅配 / 高速バス・列車で輪行 自転車は折りたたみ式でなくても解体して輪行袋に入れれば、空いた時間帯なら市バスや電車へ持ち込めます。飛行機でも荷物として預かってくれます。しかし、高速バスでは、原則持ち込み(預かり)禁止となっているので注意が必要です。 その当たりのところを、良く確認しておかないと、とても困ったことになります。 3列シート車両ではダメ 私も、高速バスで愛媛県の松山に行ったとき、そのような失敗をしてしまいました。電車や飛行機でも運べるのだから、座席の下に大きなトランクルームのある高速バスなら、自転車も問題なく運べるだろうと、安易に考えて自転車を預けることにしました。 トランクルームに積み込むときは何も言われなかったのですが、途中の休憩時間に運転手から、「実は自転車は預かれなかったのですが、今回だけは特例として認めます」と告げられました。バス会社のサイトでは、次のようになっています(よくある質問|高速バス・路線バス「JR四国バス」公式サイト)。
以上のようにして、松山までは自転車の持ち込みは認められたのですが、帰りのバスではどうなるかが問題です。帰りのバス会社のサイトでは、次のようになっています(ご乗車の際の諸注意 | 西日本JRバス )。
往復チケットは、発車オ〜ライネット決済サービスで購入したので、メールに記載してあるJR四国予約センター(本社)に電話し事情を説明して、西日本JRバスとの交渉を依頼しました。すると、今回だけは特例として認めるとの回答があり、事なきを得ました。 高松までなら予約できる 大阪・神戸から高松までなら、フットバスで自転車を無料で預けることができます。バス1台に付き、先着2台限定で、予約もできます。1辺の長さが最大140センチかつ、3辺の和が250センチ以内で、重さが30キロ以内で、専用の輸行袋に完全に収納されている必要があります(お得な情報 自転車のトランク積込み予約サービス | 高松・香川・大阪・難波・USJ・神戸・淡路行き高速バス「フットバス」公式サイト)。 700cの自転車を袋に収納すると、次のようになります。100×75×25cm、13kgですから、制限を軽くクリアしています。 自転車の解体と収納は、スタンドと700c(直径70センチ)のタイヤを外し、フレームをタイヤではさんでゴムで留めるだけですから、さほど手間はかかりません。 20インチの標準的な折りたたみ自転車の場合、袋に収納した大きさは少しコンパクトになります。輸行袋や工具を含めると総重量はほとんど変わりません。20インチのタイヤは直径50センチなので、700cのタイヤに比べ、ひと漕ぎで進める距離は7割程度ですから、本格的なサイクリングをするなら少し物足りないと思います。しかし、街中しか走らないのであれば、小回りがきくのでかえって便利かもしれません。 確実に運びたいなら、JRを 大阪・神戸から松山まで高速バスで自転車を運ぶには、WILLER TRAVELの夜行バスを使う方法があります。自転車の持ち込みは予約制です。 昼間のバスを使うなら、まず高松まで運び、高松で乗り換えて松山まで運ぶ必要があります。高松までは、フットバス、JR四国バス(3列シート車両は不可)、四国高速バスが自転車の持ち込みを認めています。西日本JRバスと神姫バスは認めていません。 高松から松山までは、JR四国バス(3列シート車両は不可)、四国高速バスが自転車の持ち込みを認めています。伊予鉄バスは認めていますが、重量10kg、容積0.027立法mを超えると小児運賃がかかるとのことです(高速バスに関するQ&A)。ただし、電話で確認したところでは、あまり大きくなければ、別途料金はかからないようです。 高速バスへの自転車持ち込みは、多くは予約制となっていないので、乗務員の判断で持ち込みを断られる可能性もあります。そこで、確実に運びたいなら、多少割高にはなるものの、JRを使う手もあります。 新幹線に3辺の合計が160cm超250cm以内の「特大荷物」持ち込む場合は、「特大荷物スペースつき座席」を予約する必要があります。ただし、自転車は解体して輪行袋に入れれば、スポーツ用品と扱われるので予約の必要はありません。また、在来線では特大荷物の予約は必要ないので、輪行袋に入れた自転車を持ち込めます(新幹線への「特大荷物」の持ち込みについて:JRおでかけネット)。 JR四国では、自転車の持ち込み方法を詳細に説明しています( JR四国:列車内への自転車の持ち込みについて)。 日本旅行のバリ得が割安 JRを使う場合は、新幹線で岡山まで行き、岡山でJR四国の特急「しおかぜ」に乗り換えます。以下の運賃等は、2023年9月現在のものです。 「新幹線+しおかぜ」のセット切符は、日本旅行のバリ得が割安です(【関西(新大阪) ⇔ 四国】バリ得こだま・ひかりで行くお得な旅 )。1人分の片道だけでも購入できます。盆休みや正月休み以外なら、新大阪→松山が8,300円です。所要時間は4時間前後です。新神戸、西明石、姫路からも乗車でき、値段は、300〜1000円安くなります。 おとなび会員限定のe5489予約なら、新大阪〜岡山のこだま料金は3,670円です(【e5489専用】【おとなび会員限定】おとなびWEB早特>おとなびWEB早特_設定区間・価格一覧表(23年4月以降購入))。 2022年3月31日利用分までは、次のような値段でしたから、かなり大幅に値上がりしています。 岡山から松山までは、運賃4,400円と自由席特急券2,420円で計6,820円かかります(時刻表・運賃・列車編成 | JR四国/予讃線)。 JR四国の岡山指定席トク割きっぷを使えば、特急の指定席が往復で9,400円となります。有効期間は6日間です。ただし、残念ながら松山発の往復にしか使えません(JR四国ツアーTOP>おトクなきっぷ一覧>岡山指定席トク割きっぷ>パンフレットデータ【松山】)。 JR西日本の松山観光きっぷを使えば、特急の自由席が往復で8,640円となります。有効期間は4日間です(JRおでかけネット>トクトクきっぷ>【e5489専用】高知観光きっぷ・松山観光きっぷ)。こちらは、岡山発の往復きっぷです。 また、松山・広島割引きっぷというものもあります。 これは、京阪神エリアから松山へ、往路は「新幹線+呉線+高速船スーパージェット」、復路は「しおかぜ+新幹線」のルートで行くことのできる往復タイプのきっぷです(※逆回りルートの設定もあります)。新幹線は「のぞみ・みずほ」の指定席に乗車できます。新幹線代だけで、16,000円ぐらいしますから、呉線、高速船、特急「しおかぜ」の切符(計12,000円ぐらい)が無料で付いてくる計算となります。なお、「スーパージェットへの自転車のお持込に関しましては、前輪を外し、輪行袋へ収納した状態であれば、 手荷物としてお持ち込みいただけます。船内所定の場所へ置いていただきますので、乗務員にお問い合わせ下さい。」ということです(スーパージェット時刻表・料金表|広島・呉〜松山航路|瀬戸内海汽船)。 高速バスとJRを乗り継ぐ方法も 一方、高速バスとJRを乗り継ぐ方法もあります。 まず、高松まで高速バスを使い、高松から松山までJRを使う方法があります。 高松・松山間は、運賃3,960円と自由席特急券2,200円で計6,160円かかります(時刻表・運賃・列車編成 | JR四国/予讃線)。 トク割2枚回数券(指定席用)を使えば、特急の指定席が往復で8,500円となります。有効期間は3ヶ月間です(JR四国ツアーTOP>おトクなきっぷ一覧>トク割2枚回数券(指定席用))。2枚は独立しているので、高松と松山のいずれでも乗車できます。 また、岡山まで新幹線を使い、岡山から松山まで高速バスを使う方法もあります。高速バスでは、JR四国バス(3列シート車両は不可)が自転車の持ち込みを認めています。下電バスと両備バスと伊予鉄バスは認めていません。 バス乗り継ぎ旅が安く、JR乗り継ぎ旅は移動時間が短い 以上の乗り継ぎ方法を比較すると次のようになります。所要時間と運賃は大阪発着の片道で計算しています。バス運賃は往復割引適用の値段です。往復割引を使わなければ、一便で500円ほど割高になりますが、期間制限はなくなります。
四国は自転車王国 高速バスで、自転車の持ち込みを認めているのは、フットバス、JR四国バス、四国高速バスといった四国を拠点とするバス会社です。一方、西日本JRバス、神姫バス、下電バス、両備バスといった本州を拠点とするバス会社は自転車の持ち込みを認めていません。伊予鉄は、高速バスについては、自転車の持ち込みを認めていませんが、郊外電車については、輪行袋による自転車の持ち込みを認めています(無料で持ち込むことができる荷物)。また、郊外電車でサイクルトレイン、路線バスでサイクルバスを運行しています。 香川県の高松市と愛媛県の松山市は、自転車の利用が盛んです。通勤・通学時間帯には、会社員や学生が大挙して、歩道を疾走しています。さすがに、中心部のアーケード商店街では、自転車の通行を禁止し、警備員やボランティアがパトロールしています。 高松市は、レンタサイクル事業を展開しており、24時間200円、1か月1,800円で自転車を借りることができます。市中心部に、7箇所のレンタサイクルポートがあり、貸し出しとは別の場所で返却もできます。高松港に無料駐輪場があり、高松駅前広場地下・瓦町地下・栗林公園駅前の駐輪場は1回100円です(駐輪場(有料)を探す)。 松山市のサイクルステーション・モンキーズ では、1日300円で自転車を借りることができます。市中心部には多くの駐輪場があり、2、3時間までは無料という所が多く、24時間100円という所もあります。 まさに、四国は自転車王国と言えそうです。 もっぱら那覇市内を走ることに 沖縄には、ゆいレール以外には鉄道はないので、輪行はバスを使うことになります。なお、ゆいレールは自転車の持ち込みを認めています(ご乗車時の注意事項・乗り方)。 沖縄本島には、路線バス会社が4つもあります(沖縄県内の路線バス会社紹介)。 沖縄バスは自転車の持ち込みを認めていますが、その他のバス会社については、情報はありません。沖縄バスは、空港リムジンバスでも自転車の持ち込みを認めています。沖縄の路線バスは、4社もあって路線が複雑に入り組んでいて停留所もバラバラです。時刻表はほとんど意味がなく、バスによって乗り方も違います。旅行者が路線バスで輪行するのは、とても困難です。空港リムジンバスは、基本的に北部のリゾートホテルと連絡しているので、使い勝手は良くありません。
ただ、那覇からは、離島にフェリーが出ているので、フェリー乗り場まで自転車に乗って行き、フェリーに自転車を積み込めば、離島でサイクリングが楽しめると思います。 したがって、短期の沖縄旅行でサイクリングを楽しむなら、レンタサイクルということになります。料金は、だいたい半日1,000円、1日2,000円ぐらいです。 |