自転車
/ ペダルがはずれた 2023年2月11日、突然、折りたたみ自転車(ルノー LIGHT10 BK)の右ペダルがはずれました。 ネジ穴を見ると、溝がほとんどなくなっています。この部分はクランクの一部ですが、アルミ合金に直接溝を掘ってあるだけなので、割と簡単に潰れるようです。楽に取り外しができるようにと思って、しっかりとネジを締めなかったのが原因かもしれません。 近くの自転車店に修理を頼みましたが、部品が手に入らないからと断られてしまいました。ネット検索で調べてみると、ネジ穴が舐めた場合は、クランクセットという部品を交換するようです。クランクセットは次のようなものです(JNP 45T 47T 53T 56T 58T 航空アルミニウム超軽量折りたたみ自転車クランクセットクランク長:170mm )。 左のアームにはチェーンリングが付いていて、右はアームだけです。アームにペダルを取り付け、ペダルを漕ぐことにより、チェーンリングを回転させ、チェーンを介して、力を後輪に伝えて推進力を得る仕組みです。アームとチェーンリングは単体でも買えますが、だいたいはセットで売っているようです。 チェーンリングの47Tや58Tは歯数を示しています。歯数が増えるほど直径は大きくなり、推進力は増しますが、ペダルは重くなります。 ルノー LIGHT10のクランクセットは52Tです(ルノー オフィシャルサイト)。 アマゾンで検索すると、52Tのクランクセットが、税込み2,293円送料無料で売られていたので(SMVM 折りたたみ自転車クランクセット52T )、早速注文しましたが、よく見ると到着は1か月先ということなので、すぐにキャンセルました。 ペダルが付かないと自転車が使えないので、ネジ穴補修キットというものをアマゾンで注文しました(与板利器 HANDS CRAFT ネジ穴補修キット 16枚入 SR-50 ブラック)。2月11日の注文で、18日配達の予定でしたが、17日に到着しました。千葉の市川市から沖縄の那覇市まで1週間近くかかりましたが、送料は無料でした。 ネジ穴補修キットが到着するまでの間、左ペダルだけで自転車を漕げないか試してみましたがうまくいきません。左ペダルを漕ぎ出すと車輪は回転するものの、漕ぎ終わると、ラチェット機能が働いて、アームの回転が止まるので、ペダルが漕ぎ出し位置まで戻ってこないのです。ラチェット機能が働かないようにするためには、トップの位置にある右アームを押し下げてやる必要があります。そこで、ひもとガムテープで、ペダルを右アームに括りつけることにしました。ペダルが回転しないので十分に漕ぐことはできませんが、押し下げることはできます。 しかし、ひもがすぐに千切れてしまうので、テープで巻いて補強しました。 こんな風にして、もっぱら左足で漕いで自転車を使っている間に、ネジ穴補修キットが到着しましたが、これが全く使い物になりません。ネジ穴が完全に潰れているうえに、ペダルを漕ぐときにかなりの力がかかるので簡単にはずれてしまいます。 ネジ穴補修キットをペダルに巻きつけ、ネジ穴に押し込んで瞬間接着剤で固定してみましたが、少し走ると、あっけなくはずれてしまいました。ということで、結局、左足走行に戻りしました。 そこで、次のようなネジ山修正リコイルキットというものを注文しました(【ネコポス限定】DIYtool 手軽につぶれたネジ補修 ネジ山修正リコイルキットM14x1.25 B135)。2月17日深夜に発注し、21日朝に到着しました。土日を挟んだので発送が遅れましたが、この販売店(東和商事株式会社・琉球村)は、 沖縄県宜野湾市にあるので、平日朝の発注なら、最短で翌日には届いていたかもしれません。 21日に作業を始めましたが、悪戦苦闘の連続で、22日午後になって、一応終了し、ペダルが漕げるようになりました。 ネジ山修正リコイルキットというのは、次のような要領で新しいネジ穴を作ります。まず、舐めたネジ穴より少し大き目のドリルで穴を広げます。次に、タップで大き目のネジ穴を掘ります。そのネジ穴にリコイルをねじ込みます。すると、リコイルの内側に新しいネジ穴が作られることになります。上の写真の、一番左にあるのがリコイルで、その右がドリル、その右がタップです。 その右の、曲がった赤い柄の部品は、ネジ穴にリコイルをねじ込むのに使います。 まず、一番の問題は、リコイルがメートル規格であるのに対し、ペダルのネジがインチ規格であるということです。 M14x1.25の規格は次のようになっています(メートル細目ねじ(抜粋))。ネジ山の直径は14ミリでネジ山の間隔は1.25ミリです。 一方、ペダルのネジは9/16インチで規格は次のようになっています(自転車の特殊なねじ)。ネジ山の直径は14.29ミリでネジ山の間隔は1/20インチ=1.27ミリです。 ネジ穴よりもネジの方が少し大きいですが、リコイルはバネのように伸び縮みするので、多少の誤差は吸収できるのではないかと期待するほかありません。 9/16インチのリコイルキットは、左右セットで33,000円もします(リコイル 自転車用クランクキット(34096-20)9/16-20右&左)。 次に工具の使い方がよく分からないという問題もあります。 商品の説明には「下穴加工用の電気ドリルや、タップハンドル等が別途必要です」とありますから、電気ドリルかタップハンドルがあれば良いと楽観的に解釈し、次のラチェット式タップレンチ・タップハンドル T090も一緒に注文しました。 送られてきたリコイルキットのドリル刃は、14.3HSSという特殊なもので、ネット通販では単体で2000円前後するようです。使うには電動ドリルが必要です。ただし、ネジ穴は完全に舐めているので、穴をさらに広げる必要はないとするなら、この工程は省略できるかもしれません。 そこで、この過程を省略して、タップでネジ穴を切ろうとしましたが、タップの接続部分が10ミリ角なのに、タップホルダーは8ミリ角までしか対応していないので、はめることができません。 10ミリ角対応のタップホルダーを買うにしても、近くにホームセンターがないので、ネット通販を利用することになります。そこで、スパナで代用することにしました。ドン・キホーテ 那覇壺川店で、6丁組両口スパナセットが税別1,299円でした。10ミリのスパナがきっちりとはまりました。ほとんど使うことがないと思われる工具がどんどん増えてしまいます。 ネジ穴の切り込み作業は、タップがかまないように、3歩前進2歩後退の繰り返しで進めました。アルミ合金は柔らかいので楽に切り込めますが、削りくずを挟んだようで、途中でタップがかんで動かなくなりました。そこで、機械油をたらすとすんなり回りました。ペダルを取り付ける時も機械油をたらすスムーズにはめることができます。このあたりは、手を抜かずこまめに機械油をたらす必要がありそうです。 試行錯誤を続けて、ペダルをはめることができましたが、リコイルが少し突き出しています。 実は、ネジ穴の長さに対して、リコイルが少し長いので、そのままではペダルをはめることができません。はみ出したリコイルを切断しましたが、切断部分が曲がってペダルのネジがうまくかみ合いません。そこで、ネジ穴を突き通して、リコイルを奥にはみ出させることにしました。奥の方は穴が狭くなっているので、スパナを使って、タップを切り通すのはかなりの力仕事になってしまいました。 リコイルで作ったネジ穴の径は、ペダルのネジの径より少し小さいのですが、強引にねじ込みました。次のように、最後の2回転はねじ込めませんでしたが、ペダルはがっちり食い込んでいるので、なんとか漕げるようになりました。2月11日にペダルが外れ、22日に修復が終わったので、左足走行が10日以上続いたことになります。 インターネットで検索すれば、リコイルによりネジ山修復を行っている自転車店の情報が見つかりました( クランクのペダル用ネジ山復活工作、 整備・作業 クランクネジ穴修復)。 それで、とりあえずの応急処理として、この方法を試みたのですが、想定以上の手間がかかってしまいました。 クランクセットの交換は、六角レンチとモンキーレンチ、コッタレスクランク抜き(ネット通販で1,000円以下で買えます)、グリスを用意すれば、ネジを外したりの締めたりの簡単な作業で終了します( スクエアテーパー(四角軸)タイプのクランクの付け方・外し方)。 しかし、前述のように、52Tのクランクセットの到着が1か月先とのことだったので、とりあえずの応急処理として、リコイルによりネジ山修復を行いました。しかし、考えてみると、52Tのクランクセットでなければいけないということはありません。 変速自転車には、次のようにチェーンテンショナーというものが付いてます。ギアを変えてもチェーンの張りが一定に保たれるのはこの機能によります。つまり、クランクセットも52Tにこだわる必要はないことになります。 ルノー LIGHT10のクランクセットは52Tとなっていますが、以前は47Tだったようです( RENAULT LIGHT10軽量化されたクランク(47T))。高速化するために、52Tとなったようですが、沖縄は意外と坂道が多いので、47Tの方が走り易いのではないかと思われます。 那覇の市街を走るときはだいたい3速を使っています。歩行者の安全配慮や信号待ちがあるので、それぐらいしか出せません。新都心や小禄など坂道があるので、1速でもきつく、もう一段低いギアが欲しいところです。沖縄から帰ったら、クランクセットを交換する予定ですが、47Tへの交換も検討して見ようと思います。 |